第96章 石麒麟の卵_1

周文は無理由で強盗に走るような人間ではない。彼は心の中でそう考えているが、実際にはそんなことはしていない。

しかし、周文はスマホの撮影機能を開き、露店にある伴侶の卵を目掛けたが、シャッターボタンを押すことはしなかった。

撮影はせずとも、スマホの画面の中にはその伴侶の卵の属性が表示された。

石像甲士:伝説レベル。

命運:顽石契約。

力量:16。

スピード:13。

体力:16。

元気:12。

天賦の技能:爆石拳。

特別優れた点は無いが、平均的な属性を持つ伝説のコンパニオンの卵。しかし、神秘的な携帯電話の機能は周文の心を喜ばせた。

現実では次元結晶には数値が表示されないが、テクノロジーを利用してざっくりと次元結晶のエネルギーの強弱を測定すれば、次元結晶のレベルを知ることができる。

しかし、伴侶の卵は本当に計測できない。同じ種類の伴侶の卵でも器具を使って測定しても、得られるデータはほとんど差がなく、最高品質の属性を持つ伴侶のペットを孵化できるかどうかは運次第だ。

神秘的な携帯電話の機能がある周文は、伴侶の卵の属性を直接見ることができるので、運を気にする必要はない。最高品質の属性を持つ伴侶の卵を直接選んで孵化させることができる。

龍門石窟で売られている伴侶の卵は、ほとんどが伝説レベルで、種類も非常に少なく、大部分の露店で販売されている伴侶の卵は二種類しかない。

一種類は石像甲士、もう一つは石麒麟で、それ以外の種類の伴侶の卵を見つけることは非常に難しい。

"おい、おじさん。石像甲士や石麒麟以外の伴侶の卵、他にあるのかな?"と周文は少し疑問に思いながら尋ねた。

そこの店主は、不機嫌そうに首を振って言った。"ないよ。龍門石窟はこういったものがたくさん生産されるだけで、他の伴侶の卵なんて手に入れる確率が非常に低いし、手に入れられたとしても、誰もがここで安く売るなんてするわけがない。"