第143章 龍門20品

「周文、気をつけろ。そのヨハンは恐ろしい奴だ」夜、リゲンは周文の寮を訪れ、深刻な表情で言った。

「どうしたの?」周文は不思議そうにリゲンを見て尋ねた。

「おかしいと思わないか?お前とリースのことを彼は知っているはずなのに、学院に来て四日経つのに、一度もその件について触れていない。この男は陰湿すぎないか?」リゲンは言った。

「触れないなら、それでいいじゃないか」周文は答えた。

「言わないからといって、お前に問題を起こさないとは限らない。とにかく、何か変だと思うんだ。気をつけろよ、罠にはまるなよ。そうだ、彼との切磋琢磨は断った方がいい。韦戈が彼をどう評価しているか知っているか?」リゲンは言った。

「知らない」周文は首を振った。

「測り知れない」リゲンはこの四文字を言い、さらに続けた。「韦戈は人格的にはどうかと思うが、実力はある。彼でさえヨハンを測り知れないと言うなら、ヨハンの実力は相当恐ろしいものだろう。やむを得ない場合を除いて、彼と戦わない方がいい」

「わかった、覚えておく」周文は頷いて承諾した。

ヨハンが trouble を起こさない限り、彼も戦う気はなかった。

「戦うよりゲームでモンスター退治の方が面白い。人と戦っても装備やペットは出ないし」周文はこころのなかで呟いた。

リゲンを見送った後、周文は再びベッドに寝そべってゲームを続けた。万仏洞に入ると、また三眼金剛力士を一体倒し、なんと伴侶の卵を入手した。

「私のトリプルアイキングフエタマが、ついに戻ってきた」周文は喜びを感じながら、すぐにその能力値を確認した。

三眼金剛力士:伝説レベル

命運:金剛の体

力量:18

スピード:14

体力:18

元気:17

天賦の技能:金剛不壊、大力金剛掌、金剛伏魔拳

伴奏状態:金の糸の柔らかい甲冑

この三眼金剛力士は珍しい三つのスキルを持ち、能力値もリゲンのものより優れていて、ほぼ満点と言えるものだった。

三眼金剛力士はもともとスピードが遅く、14ポイントは限界だった。リゲンのものは13ポイントで、周文のものより遅い。力量と元気も周文のものより低く、体力値だけが同じだった。

能力値は魔化將には及ばないものの、金剛の体という命運のおかげで、三眼金剛力士は魔化將より耐久力があり、最高級のタンクペットだった。

三眼金剛力士が前方で盾となることで、周文の操作の幅が大きく広がった。

金剛伏魔拳については、大力金剛掌より威力が劣るようで、あってもなくてもいいような技だった。

玄文会がついに正式に設立され、その誕生を祝うため、リゲンは第一回のクラブ活動を企画し、メンバー全員を集めて異次元フィールドでの修行を行うことにした。

古典は名前だけの参加だったが、リゲンは彼にも情報を送り、参加を期待した。

周文もリゲンも彼が来るとは思っていなかったが、意外にも集会の時、古典は本当に現れた。

「龍門石窟の古陽洞に行くんですよね?」古典は尋ねた。

「そうだよ、一緒に行かない?」リゲンは笑顔で言った。

「いいですよ」古典は軽く頷き、その後は端に立って誰とも話さなかった。

周文とリゲンは彼の性格をある程度理解していたので、気にせず、方若惜と田東向を呼び、五人で龍門研究の古陽洞へと向かった。

古陽洞は龍門石窟の中でも有名な洞窟の一つで、名高い魏碑作品である龍門二十の品目のうち、十九品がこの古陽洞内にある。

古陽洞が異次元フィールドになった後、その龍門十九品の魏碑にも変化が現れ、背磨悪獣という伝説の生物が生まれた。

リゲンが企画したこのクラブ活動は、みんなで背磨悪獣を退治するというものだった。

背磨悪獣の姿は非常に怪しげで、石亀の背に石碑を載せ、動きは極めて遅いが、体は非常に硬く、金剛力士と同様に、倒すのが非常に困難な伝説の生物だった。

金剛力士を倒したがる人はいないが、背磨悪獣を倒したがる人は多かった。なぜなら、背磨悪獣は倒すのは難しいものの、非常に優れたパワーテクニックをドロップする確率が高かったからだ。

背磨悪獣は碑文の違いにより十九種類に分かれ、それぞれが特別なパワーテクニックを持っていた。ドロップするパワーテクニックは十九種類もあり、それぞれに独自の効果があり、ガクセイたちに人気があった。

背磨悪獣を倒しに来るガクセイが多すぎたため、学校は古陽洞への出入りを制限せざるを得なくなり、通行証がないと自由に出入りできなくなった。

リゲンは関係者に頼んで古陽洞の通行証を手に入れ、このクラブ活動を企画した。

龍門石窟のサブコピーは多すぎて、周文も古陽洞の存在は知っていたが、ゲーム内で行ったことはなかった。

もともと古陽洞に興味はなかったが、クラブ活動には参加すべきだと思い、リゲンたちと一緒に古陽洞へ向かった。

古陽洞内には佛像と仏龛が所狭しと並び、入ってすぐに石碑が動いているのが見えた。よく見ると、それは石碑を背負った巨大な亀がじじょうを這っていた。

「もう一度言うが、背磨悪獣を倒す時は、佛像と仏龛に触れるな。問題が起きたら誰も助けられないぞ」リゲンは再度注意を促した。

「リゲン兄貴、安心してください。ルールは分かってます。絶対に破りませんから」田東向は胸を叩いて言った。

「それならいい。まあ、古陽洞は特に危険なところはない。背磨悪獣は動きが遅いから、自分から死にに行かない限り、傷つけられることはないだろう。みんな別々に行動して、背磨悪獣を探してくれ」リゲンは先頭に立ち、視界に入った背磨悪獣に向かって突進した。

古典と方若惜の三人も、それぞれ異なる方向へ向かい、古陽洞内に隠れている背磨悪獣を探しに行った。

周文はその場に立ち止まり、リゲンが背磨悪獣を攻撃するのを見ながら、同時に背磨悪獣のせうえの石碑の碑文を観察していた。

碑の文字は躍動的で、奇抜な意匠を持ち、筆致は豊かで、方正でありながら生命力を失わず、大らかで闊達な美しさがあった。

周文は書道には詳しくなかったが、碑の文字を見て、以前見た神秘的な石碑を思い出した。

背磨悪獣が背負う石碑は、周文が見た神秘的な石碑には及ばず、神秘な力も石碑の周りには漂っていなかった。おそらく普通のものだろう。

しかし、古陽洞に関する资料を調べた後、周文はふと思いついた:「背磨悪獣の種類は龍門十九品に対応しているなら、龍門二十の品目の最後の一品にも、対応する異次元生物とパワーテクニックがあるのではないか?でも、なぜ古陽洞の外に他の背磨悪獣がいるという話を聞かないのだろう?」

周文は龍門二十の品目の资料を調べ、龍門二十の品目のうち十九品が古陽洞にあり、唯一一品だけが老龍の洞窟の外の慈香窟にあることを発見した。

ここまで来て、周文はある出来事を思い出した。以前、王鹿が老龍の洞窟の近くでドラゴンの歌が聞こえたと言い、さらに宝の光が夜に現れたとも言っていた。それはまさにその慈香窟の近くだった。