050白湘君、母と娘が会う_3

ヤンリンは頷いたが、真っ黒な目には何の波紋も浮かんでいなかった。

老人はため息をついてから手持ちの饅頭をヤンリンに渡した。「彼が今日はあまり飲みすぎてないようだね、はあ・・・あなたが大人になるのを待ってるんだよ。」

ヤンリンは首を振った。彼女は饅頭を受け取らなかった。

何も言葉を発さなかった。

ただ家の鍵を取り出し、静かにドアを開けた。

彼女はその言葉にはすでに慣れすぎていた。どれだけ大きくなれば大人になるのだろうか?

彼女は5歳の頃から大人になることを切望していた。

今ではもう18歳になった。これで大人だと言えるだろうか?

彼女にはわからなかった。

ドアを開けると、テレビの大きな音と、狭い大ホールがタバコの煙で充満しているのがすぐにわかった。

数日間風呂に入っていない中年男性がソファに座っており、テーブルの上にはフライドチキンと何本かの缶ビールが置いてあり、古びたソファの隣にはチキンの骨が散らばっていた。