白蔹は眉をひとつ上げた。
「違う」彼女は紀衡を見てからゆっくりと返答した。「先生が私にコンテストに参加するように言ったので、2日間休みをとったんです」
「ふーん」紀衡は頭を下げて、タバコを吸い続けた。
彼はもう紀樹の蘭のことを何も言わなかった。
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仇学政は白蔹の休みをとってあげた。
ヒューストンには空港がなく、彼女は12時間かけて列車で北の都市に向かわなければならない。仇学政には同行する資格がなく、白蔹と仇薄卿の2人は北の都市へ行って、北城書協の人たちと合流する予定だ。
北城書協の金副会長が彼らを率いて出発する。
月曜日の朝。
白蔹はシンプルなバックパックを持って、バス停に到着したところ。
向かい側で、車窗にもたれているジャン・フェが彼女に手を振っているのを見る。
彼女は驚いて向こう側に歩み寄った。