シンセイは指先の痛みを感じ、五官が一瞬にしてねじれた。「ル、ル總……」
ル總は苦しみを浮かべるシンセイを見て楽しそうに後ろに一歩退いた後、頭を傾けた。「あなたたち、出てきて。」
5分後。
「思っても見なかったよ、お前がそんなに固い性格だとは。」彼は床に倒れたシンセイを見つめ、再びタバコに火をつけた。「今はどうだ?」
シンセイは再度頭を上げ、ル總の方に「ぷっ」と一声をあげて血まみれのつばを吐き出した。「お、お年寄り、の金までだまし取るとは……お前も、も人間と呼べるな、はは!」
「……」ル總は顔についてしまったつばをゆっくりと拭い取った。口元の笑顔はまったく消えず、目でもまるで深淵に潜む毒蛇のように首に延びる蛇のように冷たい。「きっちり教育してくれ。」
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夜の9時。
風呂上りの紀樹の蘭が電話を受け、手に持っていたバスタオルがほとんど床に落ちそうだった。「何?」