危機感

「これは…」

応擎は動画をさらに数回見直した。しかし、見れば見るほど、彼の心には先ほどよりもさらに強烈な衝撃が走った!

いつの間にか、彼の手からサンドイッチが滑り落ちていた。

ノートパソコンの画面は静止していた。そこに映っているのは、非常に若い男の顔だった。

傲慢、自信、そして軽蔑。それら全てが、その顔にはっきりと表れていた。

彼は画面の中の葉辰を凝視したまま、一言も発しなかった。だが、彼自身だけは分かっていた。生まれて初めて、彼は危険というものを感じ取っていたのだ。

しかも、それは直接対峙してのことではない!ただ、不鮮明な映像を通してだというのに!

彼は軍人の家系に生まれ、10歳から古流武術を修めていた!世界で最も厳しい訓練を受け、他人には到底習得できない強大な武術を身につけていた。