5分後、ドアベルが鳴った。
葉辰は、薬材が届いたのだろうと分かっていた。
ドアを開けると、葉辰は外に数人が立っているのを見つけた。運搬作業員はおらず、代わりに二人の老人と一人の少女がいた。
三人は大量の薬材を抱え、地面にも整然と積み重ねられていた。
そのうち二人は葉辰が知っている人物で、朱仁德と彼の孫娘の朱子萱だった。
もう一人の老人は知らなかったが、その気配から自分と同じような人物だと感じ取れた。
「朱おじいさん、德仁堂は作業員も雇えないほど困っているんですか?自ら配達までして」と葉辰は冗談めかして言った。
朱おじいさんは苦笑いしながら説明した。「葉先生、本来ならばお邪魔するつもりはなかったのですが、作業員が薬材を粗末に扱うことを心配して、私が直接子萱と友人を連れて来ました...もしご迷惑でしたら、どうかご容赦ください」