「しかし葉辰様……」朱雅が話そうとした時、葉辰の体の傷が完全に消えていることに驚いた。それだけでなく、気勢も強くなり、全身から強者が天下を圧倒するような感覚が漂っていた。
「葉辰様、まさか突破されたのですか?」
葉辰は頷き、さらに言い付けた。「今は午前4時だ。もう少し休んでいろ。明日の朝には千珏山を離れる。安素山のあの平手打ちも、そろそろ返してやる時だ」
……
朝7時。
部屋のドアがノックされた。
想像するまでもなく、葉辰には浄道大師だとわかっていた。
葉辰がドアを開けると、入り口に立っていた浄道大師は玉の小瓶を手に持ち、葉辰を一瞥してから軽く振りながら言った。「これは昨日私が調合した薬液だ。お前の体の回復を早めるはずだ。そして……」
言葉が途中で突然途切れた!
表情が極めて奇妙で驚愕に変わった。