第363章 制御不能!(1投目)

葉辰が血梅殿を出た時、時計を見ると、すでに夜の11時だった。

そろそろ帰る時間だ。

血梅殿の陣法を出た時、彼は近くに停まっているマイバッハに気付いた。

この荒廃した農地の近くでこのような車を見かけること自体が異常だった。

しかしすぐに思い当たった。このマイバッハは項承東の車だ。

車のドアが開き、項承東が慌てて出てきた。

「葉様、あなたが...まさか出てこられるとは?」

この時の項承東の心中は緊張していた!

血梅殿がどれほどの力を持っているか、彼はよく知っていた。普通の人間が中に入れば、生きて出てくることなど不可能なのだ!

しかし葉辰は今、無傷で戻ってきた。

しかも体には濃い血の匂いが残っている。

少なくとも10人以上が死んだはずだ!

まさか葉辰は本当に血梅殿を制圧したのか?

たった一人で皆殺しにしたのか?