葉辰は巨大な入口を見つめ、冷たく笑った。丹田の真気はほとんど残っていなかったが、それでも幽魂監獄まで殺し込むつもりだった。
このチャンスは一度きりだ。
何かを思い出し、体の傷も構わず一歩踏み出して、魏穎の前に立った。
手には地魄玄石が現れ、直接魏穎の体に押し当てた。
地魄玄石は瞬時に抑制力を形成し、周囲の寒気は一瞬で消え、その煞気も全て魏穎の体内に流れ込んだ。
全てが静かに戻った。
魏穎は瞳を閉じていた。
どれほどの時が過ぎたか、突然星のような瞳を開いた。
「葉……」
魏穎が話そうとした瞬間、何かを感じ取り、顔を下に向けると、瞬時に赤くなった。
彼女は葉辰の手がこのように触れることになるとは全く想像していなかった。これからどう生きていけばいいのだろう。
しかし、彼女の心には不思議と少しの嫌悪感も生まれなかった。