第568章 今すぐ私を連れて行け!(2番目)

昆仑虚強者が修為を失えば、生きていても死んだも同然だ!

周りで見ていた中国武道界の強者たちは言葉を失い、目が飛び出しそうになった!

この強者がこんな些細なことで、自ら修為を捨てるとは?

この世界はいつからこんなに狂ってしまったのか?

なんてこった!

そこまでする必要があるのか!

叶晨に取り入るにしても、ここまでする必要はないだろう!

叶晨はこの光景を見て、苦笑いを浮かべた。

このシン シー シーは自分をそこまで恐れる必要があるのだろうか?

シン シー シーが修為を捨てようとするのを見て、叶晨は急いで叫んだ:「待て!」

シン シー シーはようやく止まり、掌から風が立ち込めていた。先ほど本気で自害しようとしていたことが分かる。

「この件は、お前のせいではない。ここは人目が多すぎる。立って、中で話そう」と叶晨は言った。

シン シー シーはその言葉を聞いて、ため息をつき、興奮して言った:「師尊様の寛大なお心に感謝いたします!」

シン シー シーは立ち上がると、突然何かを思い出した。

叶晨が万剣宗の師尊であることは、今は広めてはならない。叶晨が万剣宗に戻ってから、初めて全ての人の目に晒すべきだ!

今、一部の人々に気付かれてしまったなら、それを完全に消し去らねばならない。

全てを理解したシン シー シーは、周りの見物人たちに向かって動き出した!

清風のように!

その姿は全く見えない!

見物人たちは異変に気付き、逃げようとしたが、バーチャルシャドウが彼らの脳裏に入り込むのを感じた!

何かが強引に引き抜かれた!

彼らには抵抗する権利すらなかった!

もちろん、抵抗する者もいた!

しかし最後は血霧となって消え去った!

その威力たるや!

シン シー シーが通り過ぎた場所では、全ての人の記憶が容赦なく消し去られた!

これは万剣宗のTechniqueの一つで、まだ完成されておらず、人を気絶させることもあったが、今はそんなことを気にしている場合ではなかった!

今の彼にとって、師尊の全てが天より重要だった!

遠くから見ていた叶晨は、シン シー シーの行動に何の表情も見せず、そのまま叶家へと向かった。

昆仑虚は輪廻の墓地に頼る必要があると思っていたが、今となっては万剣宗があれば、はるかに容易になるだろう。