第601章 嵐の中心!

「龍を踏んで空を飛ぶ?」

叶晨は頭上の血龍を見上げた。この三滴の精血が神龍の血だとは思いもよらなかった。

あの時、紀家の娘があんなに慎重だったのは、何か貴重な丹薬だと思っていた。

今になって分かった。紀家は本当に大きな贈り物をくれたのだ。

この恩は大きすぎる。

しかし、五年前から、紀思清の存在だけでも、すでに紀家に恩を受けていた。

昆仑虚で何度も助けてもらった。

当時の自分は修練の道に入ったばかりで、何の基礎もなく、ただの凡人の素質だった。

輪廻の墓地もまだ完全には開かれていなかった。

紀思清と紀霖がいなければ、とっくにどこかで死んでいただろう。

本当に返そうとしても、いつ返せるか分からない。

「まあいい、紀家が危険な目に遭ったら、自分が手を貸そう」

叶晨は呟いた。

頭上でドラゴンミックスが絶え間なく響く。

「師匠、この血龍はいったいどんな変化が起きているんですか?実質的というのは一体どういう意味ですか?本物の神龍になれるんですか?」

叶晨は尋ねた。

段雷仁は目を細めた。「この道のりは重く遠いが、この三滴の精血が契機となる。これはお前の運命だ。本当に龍に化けられるかどうかは、これからの縁次第だ」

「ある意味では、輪廻の墓地はお前の最大の切り札ではない。この血龍こそが本当の切り札だ。ただし、今はまだ弱く、本当の力を発揮できない」

「もしいつかこの血龍が本当の力を発揮できるようになれば、この蒼穹でもお前を留めることはできないだろう」

「神龍の威力は、火炎を操り、河川を凝集し、稲妻を放ち、さらには空間を引き裂くことさえできる!」

「お前の本命霊符と合わせれば、ある意味で、お前の将来の成就は昆仑虚の若者たちをはるかに超えるだろう」

「余計な話はやめよう。今お前がすべきことは二つある。一つ目は、私には太古空実丹が必要だ。お前は二番目の墓碑を起動させ、あの方を解放しなければならない。二つ目は、ある場所に行くことだが...」

段雷仁は何かを思い出したように、言葉を改めた。「いや、その場所は昆仑虚にある。今は急がない」

「一つ目のことが、今最も重要だ」

叶晨は二番目の墓碑に目を向けた。墓碑は眩い光を放っていた。

彼は年老いた気配が凝縮されているのを感じることができた。

「師匠、この方は錬丹師ですか?」