松山村。
荒れ果てた狭い土壁の家。
薄暗い灯りの下には古びた家具ばかり。
物が山積みで、少し息苦しい雰囲気。
そして今、気を失った叶晨が静かにソファーに横たわっていた。
ソファーはかなり古びていた。
叶晨を家に連れ帰った少女は台所で料理をしており、できあがると寝たきりの父親の前に運び、一口一口丁寧に食べさせた。
父親の様子を見て、少し胸が痛んだ。
三年前まで、彼女には幸せな家庭があった。
裕福とは言えないが、それなりに暮らしていけた。
しかし不運にも、父親が江南省のある建設会社で働いていた時、誤って高所から転落してしまった。
命は取り留めたものの、全身麻痺で寝たきりとなってしまった。
母親はプレッシャーに耐えきれず、一ヶ月後に出て行った。
行方は分からない。
祖父と二人きりで助け合って生きていくしかなかった。