第610章 お前を殺さずには、人として生きていけぬ!(4更!)

一瞬のうちに、叶晨は指で印を結び、稲妻が閃いた!

腕に絡みついていく!

とてつもなく狂気じみている!

丹田の真気が全て両手に集中した!

「プッ!」

叶晨は1滴の精血を絞り出した!精血が狂ったように燃え上がった!

輪廻の墓地で、二人の老人の姿がこの光景に気付いた。

「本当に手を出さないのか?あの小僧は狂人だぞ。この一撃は相手に重傷を負わせられるが、自分も大きな代償を払うことになる」

「我々が助ければ、あの小僧は無事に済むかもしれないぞ」

段雷仁は隣の老人に言った。彼は叶晨に何かあってほしくなかった。

不滅の主は目を細め、口角に笑みを浮かべ、明らかに叶晨の行動に興味を示していた。

数秒後、彼は口を開いた:「なぜ手を出す必要がある?輪廻の墓地の存在価値がわからないのか?我々は重要な時だけ手を出せるが、それは彼が全てを我々に頼るべきということではない」

「今、あの小僧は一人の力で狂ったように抵抗している。私は彼に少し興味が湧いてきた」

「彼の好きにさせよう。最後に怪我をしようと何があろうと、これは墓主にとって機縁となる」

「それに、彼が相手にしている老人の修為は弱くない。この小僧より何段も大境界が上だ。相手に重傷を負わせられれば、それは良いことではないか?」

段雷仁は一瞬固まり、無力に首を振った。

こいつは変人というだけでなく、狂人でもある!

そしてこの時、叶晨の燃やした精血はますます狂暴になっていった!

叶晨の丹田のほぼ全ての真気がその精血に集中した!

精血は稲妻に満ちた火球へと変化した!

その狂暴な力は核爆弾に匹敵する!

血門の向こう側にいる鄭長老はもちろん異変を感じ取り、笑みと狰狞さに満ちた表情が一瞬で凍りついた!

「この小僧、狂ってるのか!本当に共倒れする気か!」

誰よりも彼はよく分かっていた。もしあれが貫通してきたら、死なないまでも重傷は免れない!

彼は慌てた!

彼も恐れた!

どんな強者でも、命知らずは怖いものだ!

躊躇せず、鄭長老は五指を広げ、血門に集まっていた無数のルーンを引き離した!

繋がりを断ち切らなければ、後々大変なことになる!

血門はすでに数箇所で崩れ始めていた!