第654章 唯一の手がかり！（6更！）

少女は首を振り続けた。「私...私はあなたたちの言っていることがわかりません...」

黒衣の老人は冷笑し、一歩踏み出すと、少女の前に現れた。

そして、冷たい剣が少女の首筋に突きつけられた。

冷たい声が響く。「同じことを二度は言わないぞ。お前の修為程度で何が守れると思っている？」

「華夏の者如きが、崑崙虚に足を踏み入れるとは、まさに死を求めているようなものだ！」

「まあ、お前の体つきと顔立ちは悪くない。私の言うことを聞くなら、考えてやらんでもない」

その言葉が落ちると、黒衣の老人の後ろにいた一団が一斉に笑い出した。

卑猥な言葉が絶え間なく響き渡る。

少女は恐怖に全身を包まれ、極限まで無力感を感じていた。

彼女は自分に退路がないことを知っていた。

次の瞬間、手に符文が現れ、精血を一滴絞り出し、符文を発動しようとした瞬間、黒衣の老人が腕を振り、風の刃が襲いかかってきた！

その符文は粉々に砕け散った。

「このような下らないものを私の前で見せるとは面目知らずめ。チャンスをやったのに活かせなかったな。ならば私が直々にお前を痛めつけてやろう！」

「お前どころか、華夏のあの小畜生葉辰でさえ、私の前では死あるのみだ！」

黒衣の老人は一歩踏み出し、五本の指に狂暴な真気を集中させ、狂ったように振り下ろした！

少女に触れようとする寸前、彼の表情は極限まで狂気に満ちていた。

少女は相手のなすがままだった。抵抗しようとしても、その資格すらないことに気付いた。まるで目に見えない威圧が彼女を束縛しているかのようだった。

この感覚は耐え難かった。

その千載一遇の瞬間、磁性のある声が突然響いた。

「本来なら余計な事には関わりたくなかったのだが、なぜ私の名前を出す必要があったのかな。私はお前たちに何か恨みでもあったかな」

この声の出現に、その場にいた全員が驚愕した。

少女までもが目を見開いた。

声は聞き覚えがあるようで、でも何とも言えない。

彼女は一つの残像が閃いたのをはっきりと感じた！

そして、彼女の前に一人の凛々しい青年が立っていた。

それは葉辰だった！

葉辰は一目でこの集団の修為を見抜いた。想像していたよりもずっと弱かった。

唯一強い存在はこの黒衣の老人だが、残念ながら相手の境地は入聖境初期に過ぎなかった。