董詩雨は明らかに葉辰がこれほど興奮するとは思っていなかった。
彼女は葉辰が握った手を見て、頬を赤らめた。
「葉さん……」
葉辰はようやく我に返り、手を離した。「君が百里雄と一緒に入ったのなら、彼の居場所を知っているだろう。」
董詩雨は頷き、複雑な表情を浮かべた。「葉さん、私についてきてください。」
「わかった。」
董詩雨は葉辰を連れて北へ約十キロ歩いた。
葉辰が驚いたことに、十キロ先は非常に繁華だった。
古風な建築物だけでなく、現代的な建物も少なくなかった。
繁華さは京城に劣らなかった。
「葉さん、ここは崑崙虚の明陽鎮です。この辺りで一番大きな町で、この数日間私はここに滞在していました。」
「百里将軍は近くの酒楼にずっといます。」
葉辰は眉をひそめた。百里雄は宗門へ妻を探しに行くはずではなかったのか。なぜここに留まっているのだろう?