第656章 私が連れて行く！（2番目）

葉辰の表情が冷たくなった。あの連中のやり方は酷すぎるだろう。

腕を壊し、さらに死気を腕の中に封じ込め、死気が徐々に全身を蝕むようにしたのだ。

このような拷問の手段は、まさに極悪非道の極みだ！

あの宗門は崑崙虚でもそれなりに名の通った存在なのに、このような手段で華夏人を扱うなんて、誰が怒らずにいられようか。

「百里雄、一つ聞きたいことがある。もし私が木婉寧と会わせてあげられるとしたら、彼女はお前を拒絶しないと確信できるのか？」

百里雄は慌てて首を振った。「葉様、絶対にありません！婉寧の性格は私がよく分かっています。彼女は崑崙虚から出てきて、私と20年以上を共に過ごしました。後に去ったのも、やむを得ない事情があったからです。もし彼女が私に会えば、私と一緒に戻らないとしても、きっと答えを聞かせてくれるはずです。」

葉辰は立ち上がり、淡々と言った。「それならば、私と一緒に来い。」

百里雄はその言葉を聞いて、瞳に恐怖の色が浮かんだ。

彼は葉辰の性格をよく知っていた。これは短気な主なのだ。

確かに以前、江南省国際空港で葉辰は数十人の崑崙虚の強者を制圧したが、木婉寧の宗門は並大抵の存在ではない。

彼はあの連中の恐ろしさを身をもって知っていた！

「葉様、この件は急ぐ必要はありません。じっくり考えましょう……」

葉辰は首を振り、そのまま外へ向かって歩き出した。「お前には時間をかけて考える余裕があるかもしれないが、私にはない。」

「1時間後に私は青玄峰に行かなければならない。我々の交情に免じて、今回だけ手を貸してやる。これ限りだ。」

百里雄は葉辰の決意が固いことを知り、歯を食いしばりながらも付いていった。

彼は崑崙虚に何の勢力も持っていない。

唯一の頼みの綱は、恐らく葉辰だけだった。

もし葉辰が助けてくれなければ、いつになったら木婉寧に会えるのだろうか？

……

木婉寧の宗門について、葉辰はもちろん知っていた。

北玄宗。

北玄宗は崑崙虚の多くの宗門の中で、平凡な存在に過ぎなかった。

おかしな話だが、葉辰と北玄宗にはある程度のつながりがあった。

かつて老人は葉辰を連れて、崑崙虚の百を超える武道宗門を訪ね歩き、どこかの武道宗門が葉辰を弟子として受け入れてくれることを願っていた。