第667章 まだまだ若いな(その1)

なんと!

一本のタバコで白展元の法器に対抗しようというのか?

白展元とその部下たちは、表情が呆然としていた。

むしろ可笑しいとさえ感じた。

彼らは葉辰の手にあるタバコに霊気が全くないことを知っていた。

ある意味では、全く殺傷力がないのだ!

こんなものでどうやって法器を破るというのか?

白展元の顔が歪んだ。

丸5年間、誰一人として彼をこれほど軽視し、このような傲慢な態度を取る者はいなかった。

かつて彼が陣盟から奪った至宝こそが、手中の扇子だ!

この扇は陣古扇と呼ばれ、上古の陣石で作られたものだ。

その中には無上の陣法の道が秘められている。

価値は計り知れない。

価値はさておき、陣古扇で陣を結べば、陣法の強度は十倍、あるいは百倍にも上がる。

殺陣を結べば、姿なき殺人も可能だ。

この数年間、彼は陣古扇を阻止できる存在に出会ったことがない!

しかも、彼の脳裏には無数の殺陣が刻まれているのだ!

崑崙虚第一の天才陣法師として、若い世代では誰も彼に太刀打ちできない。

この陣古扇を加えれば、誰が彼を阻む資格があろうか!

紀霖も葉辰の傲慢さを感じ取り、老血を吐きそうになった。

葉辰がどこで陣法を学んだかは知らないが、白展元の前で傲慢になる資格はないはずだ!

タバコで法器に対抗するなど、おそらく華夏と崑崙虚全体で、葉辰だけがそんなことをする勇気があるだろう。

しかしそうすることの結果は明らかで、それは自殺行為だ!

「葉辰、白展元の扇子には何か異常がある、必ず気をつけろ!かつて白展元もこれが原因で各大宗門に追われたのだ!」

「聞くところによると、当時彼はこれを使って千人近くを殺したという!」

「そうだ、葉辰、お前は崑崙虚に入って葉弑天の威名を聞いただろう、この男は、ある意味で葉弑天と同じくらい危険なんだ!」

紀霖は葉辰に理解させようと、葉弑天を例に挙げた。

葉辰は葉弑天という三文字を聞いて、口元に笑みを浮かべ、興味深そうに尋ねた。「じゃあ、この白斬鶏とあなたの言う葉弑天が戦ったら、誰が勝つと思う?」

紀霖は一瞬固まり、表情が奇妙になった。

そんな比較ができるわけがない!

二人は戦ったことがないし、戦うはずもない!