「無上魂根?」
葉天正は眉をしかめ、何かを思い出したような表情を浮かべた。
かつて妻江佩蓉と幽魂監獄に5年間閉じ込められていた時、妻から少なからず色々なことを聞いていた。
江佩蓉は華夏では逆天の霊根を持つ存在で、それゆえにこれほどの波紋を呼んでいたのだ。
一方、彼は凡根だった。
それも検査済みの。
むしろ廃根とさえ言えた。
華夏の武道界の人々から見れば、江佩蓉には全く相応しくない存在だった。
江家が猛反対したのもそのためだ。
しかし、この半年の出来事を通じて、自分が普通ではないことに気付き始めていた。
息子の葉辰は恐ろしいほどの実力を持ち、わずか5年で今の境地まで修練を積んでいた。
幽魂監獄を破る力は人を震え上がらせるほどだった。
もし本当に自分が凡根なら、どうして江佩蓉とこのような逆天の子供を産むことができただろうか?
目の前の男の言葉から、自分の所謂魂根は並大抵のものではないことは明らかだった。
むしろ、極めて重要な存在と言えるかもしれない!
さらに、彼の体内には常に自身を守る力が宿っていた。
この力は崑崙虚血盟の者たちでさえ手を出せないものだった。
最後に、目の前のこれらの人々の度重なる尋問から、彼は巨大な秘密を発見したような気がした。
出自に関する。
崑崙虚葉家?
これが老人が常に守り続けてきた秘密なのだろうか?
老人はずっと家にいなかったし、仕事もしていなかったのに、衣食に困ることはなかった。
もしかして背後にいたのはこの崑崙虚葉家なのか?
しかし、なぜ老人は華夏に行ったのか?
何かから逃げていたのか?
葉天正が思索に耽っている時、葉宏斌は続けて言った:「葉天正、私と一緒に葉家に戻る気はないか!」
「葉家に戻りさえすれば、この血盟は君を束縛できない!それだけでなく、君の望むものは何でも手に入れられる!」
彼の口調は切迫していた!
焦りを隠せない様子だった!
これらの年月、葉宏斌の最大の後悔は葉家から追放されたことだった!
もし葉天正がいれば、それは天大のチャンスとなる!
彼が葉家に無上魂根を提供すれば、葉家は必ず彼を受け入れるはずだ。
この功績は、天をも覆すほどのものだ!
血盟の長老たちは葉宏斌の言葉を聞いて、表情が変化した。