第698章 甕の中の鰻!(2番目)

紀思清は首を振って言った。「話してください。この数日間、一体何が起こったのですか。」

「一つも漏らさずに。」

紀霖はポテトチップスを一口食べて、姉があまりにも空気を読めないと感じ、口を尖らせて言った。「華夏のあの子のことは気にならないの?」

この言葉を聞いて、紀思清の瞳孔が急に縮んだ。「まさか葉辰のことじゃないでしょうね?」

「もちろん!」紀霖は指を鳴らして笑いながら言った。「葉辰が崑崙虚に来たのよ!それに、今回葉辰がいなかったら、私はおそらく戻って来られなかったと思う!」

紀霖の衝撃的な言葉に、紀思清の表情が微かに変化した。

彼女には葉辰と紀霖にどんな関係があるのか想像もつかなかった。

たとえ二人が出会ったとしても、葉辰の実力は崑崙虚では物の数にも入らないのに、どうやって紀霖を救えたというのか?

紀霖はとっくに全てを話したかったのだ。続けて言った。「姉さん、前回会った時は気動境だったのに、今回会ったら、なんと神遊境だったの!この突破速度、きっとあの子には何か特別な出会いがあったに違いないわ!」

「それだけじゃないの、あの子は不思議なことに陣法も習得していたの!陣法の造詣は天才としか言いようがないわ!陣法の天才と呼ばれる白展元でさえ太刀打ちできないほどよ!」

「なんですって!」

紀思清の平静な表情に濃い驚きの色が浮かんだ。

葉辰は凡根、これは争う余地のない事実だった。

崑崙虚の全ての宗門が知っていることだ。

理屈から言えば、このような人が修行しても、一生かかっても神遊境に到達することは難しいはずだった。

しかし葉辰はそれを成し遂げた。

それだけではなく、葉辰は陣法も習得し、さらに紀霖の口から天才という言葉で形容されるほどだった。

紀霖は彼女の妹として、多くの陣法の天才を見てきたため、むやみに天才という言葉を使うはずがない。

さらに重要なのは白展元が関わっていること!崑崙虚には白展元についての様々な伝説があった!

この三文字は陣法の天賦の代名詞だったのだ!

そう考えると、葉辰の陣法の造詣は間違いなく驚異的なものだった。

紀思清は胸を激しく上下させながら、紀霖の手を掴んだ。「あなたが出発してからの話を全て聞かせて。細かいことも含めて!全て知りたいの。」