その長老は軽く「おや」と声を上げた。
彼はある事を思い出した。
その葉辰の祖父は確か華夏で亡くなったはずだ。
崑崙虚が物を葉家祠堂に置いたということは、華夏に何か問題があることを証明している!
もしかして葉家は本当に崑崙虚と関係があるのか?
もしそうだとすれば、葉天正の身に秘められた秘密は途方もない価値があるはずだ!
それ以上考えることなく、その血盟の長老は葉宏斌を見て言った。「葉前輩、私についてきてください。すぐに葉天正のところへご案内します」
「今回我々が遠路はるばるあなたをお招きしたのは、葉天正の秘密を引き出していただきたいからです!」
「この男の体内には守護の力が宿っており、我々にはそれを破ることができません。我々は葉家の血脈が原因ではないかと疑っています。調査によると、どうやら葉家の血を引く者だけが解決できるようです」
葉宏斌は頷き、同意して言った。「その通りです!葉家の血を引く者の体内には確かに守護の力が存在します。この力は天賦の才と血脈の強さによって異なります。この世で私以外に手助けできる者はいません。結局のところ、崑崙虚の葉家はめったに外に出ませんからね。さあ、案内してください」
その長老は心中喜び、急いで特別な玉佩を取り出すと、地下牢の大門が完全に開いた。
邪悪な気が押し寄せてきた。
葉宏斌は眉をひそめ、両手を背中で組んだまま、中に入っていった。
葉宏斌が姿を消した後、葉辰が暗闇から現れた。
彼の目には冷たい光が宿っていた。
これほど長い時間が経っても、血盟の者たちは父からなにも得られていないようだ。
しかし二人の会話から判断すると、これからの展開が重要になりそうだ。
おそらく父の身の安全に関わることだろう。
明日まで待てない。
今日中に父を救出しなければならない。
さもなければ、手遅れになる可能性がある!
青玄峰の老祖の助けは得られないが、まだいくつかの切り札は残っている。目の前の状況には十分対応できるはずだ。
もはや躊躇う必要はない、葉辰は血盟の地下牢へと向かった。
五メートルも近づかないうちに、数声の怒号が響いた!
「盟主の命令だ!部外者は地下牢に近づくことを禁ず!」
黒い法衣を身にまとった葉辰は何も言わず、指で印を結び、本命の霊符を取り出した。
地面から雷光が溢れ出した。