その瞬間、空気が凝固したかのようだった。
世界全体が静寂に包まれた。
「師尊」という二文字の響きが天地に鳴り響いた!
その余韻が長く続いた。
百人もの人々が一斉に跪き、黒い影が広がった!
この光景は目を見張るものだった!
これは万剣宗なのだ!
万剣宗は崑崙虚では権勢の大宗とは言えないが、諸宗門の中では間違いなく上位50位に入る!
剣道で言えば、万剣宗は剣道宗門の上位10位に入るほどの実力がある!
そんな存在が、今この瞬間に全員跪いているのだ!
これは一体どういうことなんだ!
しかも万剣宗宗主の凌雲度までもがそうなのだ!
凌雲度は剣気が天を覆うほどで、傲慢で、普段から人と話すときも冷たい態度を取る!
崑崙虚でも有名な強情者として知られている!
そんな人物が、目の前の若者に向かってこうして跪いているのだ!
方宗主と、その後ろにいる数十人は息を止め、目をこすった。
まるで夢のようだった!
何より、これら全てが너무も幻想的に起こったのだ!
剣で腕を軽く切って確かめる者もいた。
痛みは極めて鮮明だった。
これは現実なのだ!
「はっ!」
群衆は息を飲み、その目は冷たい表情の若者に釘付けになった。
傷だらけの若者は、松のように凛として立ち、その姿は絶世の風格を漂わせていた!
その眼は寒星のように冷たく、一度触れれば殺戮の気配が感じられた。
これが葉弑天、崑崙虚の無数の宗門を恐れさせた葉弑天なのか?
剣血沈は非常に不愉快な表情を浮かべ、今の彼には抵抗する術がなかった!
万剣宗は葉弑天を討伐しに来たと思っていたのに!
今や何てことだ、葉弑天の味方についているとは?
師尊?
二十歳そこそこの若者がどうして万剣宗の師尊であり得るのか!
あり得ない!
剣血沈は血を飲み込み、半跪きの凌雲度を睨みつけながら尋ねた:「凌宗師、お前...お前は間違いないのか、この若者が本当にお前の師尊なのか?年齢からすれば、お前の孫になれるほどだぞ!」
凌雲度は依然として頭を下げたまま、冷ややかに言った:「剣血沈、もう一言でも無駄口を叩けば、必ずお前を斬り殺す!」
そう言うと、彼は葉辰を見て、恭しく言った:「師尊、この状況をどのように処理いたしましょうか」
葉辰は周りに跪いている百人を見て、どうすべきか迷っていた。