葉辰はこれらすべてを終えると、振り向いて方宗主と後ろにいる数十人の強者たちを見た。
彼は当然、この集団を見逃すつもりはなかった。
万剣宗がなければ、自分はとっくにこの連中の剣の下で命を落としていただろう。
彼は善人などではない。崑崙虚に最も不要なのは善良さだ。
「凌雲度!」
「師匠、弟子がここに」
凌雲度は一歩前に出て、深々と頭を下げた。
葉辰は数秒間沈黙し、そして空気の中にゆっくりと数文字が落ちた:「万剣宗の弟子以外、一人も残すな!」
「はい、師匠!」
凌雲度は立ち上がり、長剣を取り出し、冷たい殺気が広がった!
血に飢えた!狂気!
方宗主は顔色を変えた。まさか自分が手を下さなくても、一人の若者の言葉で運命が決まってしまうとは思いもよらなかった!
一人も残すな、何という大口を!
彼は巨斧を取り出し、葉辰を睨みつけた:「葉弑天!貴様何様のつもりだ、私に手を出すとは!」
彼が斧を振り上げて葉辰に向かって切りかかろうとした瞬間、凌雲度と数人の万剣宗長老が疾風のごとく襲いかかった!
剣が振るわれる。
万丈の剣光がすべてを飲み込んだ。
万剣宗の弟子たちも残像となって、まるで巨獣が群衆を薙ぎ払うかのように!
この瞬間、天地には剣光と鮮血だけが残った。
方宗主の歪んだ顔は、一剣に貫かれた。
風波が収まった後、無数の死体と血が、悲惨な光景を作り出していた。
血盟全体が死の都と化した!
たった一人の青年のために。
葉辰は目の前の光景を無表情で見つめ、目を閉じると、体内から血竜が現れた。
すべての殺戮と血気を吸収する。
これは血竜にとって最高の滋養だった。
葉辰は今回、血竜が数倍も大きくなり、その気配も狂暴さに満ちているのを発見した。
次に血竜が現れる時、引き起こす天地の異変はさらに恐ろしいものとなるだろう。
殺戮道君かつて彼に告げた。輪廻墓地が彼の切り札というより、血竜こそが真の切り札だと。
血竜が百丈となり、実体化する時、彼は天地の主宰者となる。
龍の咆哮一声で、九州を震わせる。
龍の怒りの咆哮で、山河を砕く!
もちろん、これらはまだ葉辰にとって遠い話だった。
傷を負った凌雲度と多くの万剣宗の強者たちが葉辰の前に来た。
「師匠、ご命令通り、一人も残さず」