玉璽?
紀霖はようやく何かを思い出し、頷いて言った。「お姉様、その玉璽は葉辰に渡しましたが、あの小僧が行くかどうかは分かりません。」
「彼の実力は確かに悪くないけど、最大の弱点は修行期間が短すぎることね。それに、彼の血脈は平凡で、凡根は崑崙虚でもほとんど見つからないでしょう。彼の唯一の勝算は陣法の力くらいかしら。」
この期間、葉辰の実力は紀霖の認識を覆したものの、あの件については、彼女はまだ期待していなかった。
それは武道の戦い、群雄が覇を競う場。
無数の機縁。
また崑崙虚の武道天才を試す最高の手段でもある。
かつて姉の紀思清はこれによって崑崙虚全体に名を轟かせた!
そして四年前、二人は初めてここで葉辰と出会った。
あの時の葉辰は、崑崙虚に入って一年目だった。
よろめきながら。
医神門の門主は葉辰の殺戮の心と復讐の意志が強すぎることを深く知り、何度も諭したが、それでも葉辰の心の怒りを消すことはできなかった。
彼は葉辰に武道のことを教えることができず、ただ葉辰を連れて百の宗門に直接頭を下げて弟子入りを願うしかなかった。
誰かが葉辰に武道を伝授してくれることを願って。
しかし、凡根というこの二文字は崑崙虚では目障りすぎた。
目障りすぎて、将来何の成果も出せない無用の者を受け入れようとする宗門は一つもなかった。
そして当時の葉辰はまさにその無用の者だった。
修為は低く、潜在能力もなかった。
まるで彼のこれからの人生の暗さを予示しているかのようだった。
葉辰は諦めず、必死に自分を証明しようとした。
そして年に一度の各宗門の天才たちの戦いは、最高の機会だった。
重要なのは、一旦上位50位以内に入れば、大きな機縁と一流宗門の支援を得る資格が得られることだった。
順位が上がれば上がるほど、機縁も大きくなる。
機会を得た大多数の者は、機縁の物のためではなく、その一流宗門の支援のためだった!
医神門の門主は瀕死の宗門長老を直接救ったことで、偶然一枚の玉璽を得た。
結局のところ、没落した医神門の当時の影響力では、枠を得ることは不可能だった。
彼は長い間迷った末、玉璽を葉辰に渡し、葉辰に崑崙虚の真の強者を見せたいと思った。
才能はあの人々に及ばなくても、見識だけは持っていてほしかった。