江羅は葉辰の身体から爆発する強烈な殺気を自然と感じ取った。
彼は葉辰を見つめ、瞳には恐怖の色が浮かんでいた。
玉蒼山の殺戮の地では、方々数十里に渡って、洪涛の威名を知らぬ者はいない。
かつて殺戮の地のあの方が自ら洪涛を丹盟から招き、さらに約束した、崑崙虚全土で彼に手を出せる者はいないと!
殺戮の地は非常に危険で、崑崙虚の宗門の中にも軽々しく足を踏み入れようとしない者もいる。
あの方の約束は洪涛が思う存分丹薬を試作できるほどの保証だった。
どれほど多くの強者の霊脈や精血が無理やり奪われ、洪涛の丹薬の材料となったことか。
非道極まりない。
しかしこれこそが洪涛の無上の大道だった。
十数年来、洪涛は丹盟を離れ、もはや丹盟の長老ではないが、殺戮の地では一人の下に万人の上と言える存在だった。
無数の強者に守られ、誰も彼を揺るがすことはできない。
そして今、この若者が洪涛を殺そうとしている?
命知らずか?
葉辰は江羅が長い間口を開かないのを見て、五本の指を握りしめ、強大な威圧を一瞬で放った!
「バキバキバキ!」
江羅の骨がその場で砕け散った!
彼を極限まで苦しめた!
「ご主人様、やめてください!話します!何でも話します!あの洪涛はずっと北側の豪邸にいます。その豪邸は殺戮の地のあの方が彼に与えたもので、ほぼ百人の強者が守っており、誰も半歩も近づけません!」
葉辰は眉をひそめた。この男の口からは常に「殺戮の地のあの方」という言葉が出てくる。明らかにあの方の身分は洪涛をはるかに上回るものだ。
もしかしてこの地の主宰者か?
「お前の言うあの方とは誰だ?」
葉辰は言った。
江羅はこの言葉を聞いて、表情が恐ろしげに変わり、さらに首を振った。「ご主人様、あの方のことは決して口にできません!さもなければ、たとえ生きてここを出られたとしても、死ぬよりも惨めな目に遭います!」
葉辰は指を軽く空中で叩き、江羅を見つめた。「最後の質問だ。お前は洪涛と医神門の掌門が三日後に丹薬の勝負をすることを聞いているだろう」
「聞いています」
「その医神門の掌門、段懐安の居場所を知っているか?」