葉辰は目を固く閉じ、顔に浮かぶ苦痛の表情はますます濃くなっていった。
無限の黒気が葉辰を飲み込もうとしているかのようだった。
そのとき、葉辰のポケットから黒い石が飛び出した。
一人の老人の姿が修練室の中央にゆっくりと浮かび上がった。
それは林青玄だった。
林青玄は葉辰を見つめ、眉をひそめた。「輪廻墓地の墓守は一体どんな血脈なのか?このままでは、彼の血脈はこの邪物と完璧に融合してしまいそうだ。まるで魔のために生まれてきたかのようだ」
「武道、殺道、医道、魔道」
「宇宙には無数の大道がある。なぜこの小僧はどの道も完全に融合できるのだ?こいつの体内には一体どんな逆天の血脈が流れているのか?」
「しかも今の状況を見ると、この小僧が完全に殺道と魔道に入ってしまえば、私の医道の伝承は必ず影響を受けるだろう」
「急いでこの小僧に私の医道の伝承を受け継がせねばならない!」
言葉が落ちると、林青玄は天地の間に消えていった。
そして黒い石も葉辰のポケットに戻っていった。
今の葉辰は無上の魔気に包まれ、傍らの血竜はまるで魔竜に変化したかのようだった。
まるで魔尊が世に現れたかのようだ!
次の瞬間、葉辰の苦しそうな表情は消えていた。
……
門の外の温詩詩はますます緊張していた。彼女は外の物音を聞いていた。
そして姉が父を呼ぶ声も。
彼女は心配で胸が張り裂けそうだった。
外の状況を見に行こうと思ったが、父の言いつけを思い出し、その場に留まった。
修練室からは依然として物音一つしなかった。
彼女は葉辰に何か起きたのではないかと考え始めていた。
何度もドアを開けようとしたが、最後には踏みとどまった。
もし自分の行動で葉辰が走火入魔してしまったら、取り返しがつかなくなる。
彼女が慌てて決断できないでいるとき、数十の黒い影が押し寄せてきた!
それは潘宇と道宗の弟子たちだった!
彼らは非常に速く動き、すでに修練室の状態を察知していた。
もしあの邪物が本当に練化に成功していたら、彼らの今回の任務は無意味になってしまう!
帰れば宗主に責められるのは間違いない。
彼らの身には冷たい殺気が漂い、瞬時に周囲の気圧を下げた。
温詩詩は何かがおかしいと感じた。彼女は自分の実力をよく知っていた。