これがあの邪物を練化した奴なのか!
葉辰は一歩踏み出し、冷ややかな目で全員を見回した。「温立峰は我が華夏龍魂の者だ。お前たちは手を出すべきではなかった。本当に手を出すべきではなかったのだ」
潘宇は葉辰の気配に恐れを感じながらも、彼の実力をよく理解していた。
凡根の無能者が、修行を始めてたった5年、しかも医道の宗門出身とあっては、どれほど強いというのか!
たとえあの邪物を操っているとしても、おそらく気勢が強いだけで、真の実力はきっと一撃で崩れるだろう。
彼は冷ややかに鼻を鳴らし、口を開いた。「無能者よ、チャンスをやろう。温立峰からもらったものを渡し、私の前に跪け。そうすれば連れて行ってやる」
「さもなければ、お前は苦しむことになる」
葉辰は冷たい視線を投げかけ、淡々と言った。「お前は何様のつもりだ?」
この言葉を聞いて、道宗の弟子の一人が前に出て、怒鳴った。「葉辰!お前のような凡根の無能者が潘様に質問するとは!死にたいのか!」
次の瞬間、彼は長剣を取り出し、葉辰に向かって突進した!
潘宇は今回、道宗の新しい長老になる可能性が非常に高い。もし今、自分が活躍すれば、潘宇は必ず自分を高く評価するだろう。そうなれば道宗での自分の地位も上がるはずだ!
計算は完璧だ!
剣意が寒光を引き裂き、まるで毒蛇のように葉辰に向かって飲み込もうとした。
葉辰は相手の修為を冷静に見定めた。おそらく聖王境に入ったばかりだろう。
あの邪物の加護がなくても十分に斬殺できる相手だ。まして今は魔気が渦巻く自分なのだから。
長剣が彼の心臓を貫こうとした瞬間、葉辰の五本の指の間から魔気が溢れ出し、猛然と長剣に掴みかかった!
「無能者め、5年前はお前は擂台に立つ資格すらなく、女の後ろに隠れていたと聞いたが、5年経った今でも同じ場所で足踏みしているのかを見てみたいものだ!」
道宗の弟子の目には狂気が宿っていた。彼の目には、葉辰は間違いなく死ぬはずだった!
突然、彼の顔から笑みが凍りついた。
なぜなら、自分の剣の剣意が完全に消えてしまったことに気づいたからだ。
剣は宙に浮いたままだった。
葉辰を見ると、彼は恐ろしいことに相手の手が剣身をしっかりと掴んでいるのを発見した。
無数の黒気が覆い尽くし、まるで黒龍が剣全体を飲み込んだかのようだった!