この瞬間、無数の視線が広場に散らばった破片に集中した。
丹鼎はもともと混乱状態にあり、一度火を失えば、内部の気と力が渦巻き、たとえ受け止めても必ず砕け散る!
しかし、砕け散ったのは洪丹尊の丹鼎ではないか!
あの皆を圧倒する洪丹尊だぞ!
殺戮の地の丹道の王者!
この男は丹道において絶対的な発言権を持つ存在だ!
しかし今や失敗したのか?
さらには洪丹尊が少し狼狽えているようにも見える?
場は極限まで静まり返った。
その場にいる大半の人々にとって、呼吸すらも贅沢となった。
彼らは少し顔を上げ、洪涛を見上げたが、彼が彫像のように動かないことに気づいた。
顔色は青ざめ!次第に黒ずんでいく!
体さえも震え始めた!
彼は拳をきつく握り締め、腕の筋が浮き出ていた。
瞳孔から傲慢さが消え、残るのは狂気のみ!
形のない怒りが狂ったように燃え上がっているようだった!
失敗した!
彼、洪涛がなんと失敗したのだ!
こんな簡単なことで、彼が失敗するなんて!
彼は怒りの目を葉辰の方向に向けた!
彼はすべての元凶がこの仮面の青年だと知っていた!
あの青年の炎がなければ、彼の丹頂の火が制御下で離れることは絶対になかった!
葉辰の丹鼎を取り巻く炎を見たとき、彼の瞳は少し縮んだ!
「この炎は神通力の気配を帯びている。まるで丹を練るのに完璧に適合しているじゃないか!どうしてこんな炎が存在するんだ?」
重要なのは、この炎がたかが超凡境の小僧に操られているということだ!
今の洪涛の顔の狂気は突然、熱狂に変わった!
もしこの炎を手に入れれば、丹道は絶対に聖王境に達することができる!さらにはそれ以上も!
丹盟に挑戦する資格さえ得られるだろう!
彼は何としてもこの炎を手に入れなければならない、どんな代償を払ってでも!
段懐安はもちろん洪涛の失敗に気づき、瞳は喜色に満ちていた!
炎を操る葉辰を見て、彼は心から感謝の念を抱いた!
彼はもともと奇跡を期待していなかったが、この仮面の青年の出現が、彼に奇跡をもたらしたのだ!
どうあれ、この一局は、洪涛がすでに負けた!
恥ずかしいほどの敗北だ!
医神門にはまだ救いがある!
「チン!」
突然、澄んだ音が鳴り響き、段懐安は数秒間呆然とした後、猛然と仮面の青年の方向を見た!
丹が完成した!