第750章 一本のタバコの時間！（6更新お届け！）

洪濤は拳を強く握り締め、目には怒りの炎が燃えていた！

「小僧、わしは一度しか言わんぞ、わしの名は洪濤だ！もう一度無駄口を叩けば、お前を……」

言い終わる前に、葉辰は遮って言った：「わかったよ、赤い波だろ！」

「貴様！」

そして今、葉辰は洪濤を茶化した後、目つきが真剣になった。

その真剣さの中に、わずかな潤いが浮かんでいた。

体が微かに震えている！

なぜなら、彼から数十メートル離れたところに、背中を丸めた老人がいたからだ！

それは彼の師匠、段懐安だった！

彼を東銭湖の下流から救い出した老人！

彼に第二の命を与えてくれた老人！

彼に神医の道と修練の法決を伝授してくれた老人！

あの5年間、もし段懐安がいなければ、今の葉辰はなかった！

この老人は全力で彼を守ってきた！

この老人は自分の面子を捨て、百人もの武道宗師に葉辰を引き取るよう頼んだ！

ただ葉辰の復讐心のために！

葉辰には百人の師匠がいるかもしれないが、目の前の段懐安こそが彼にとって最も重要な師匠だった！

恩師への情は、天よりも大きい！

無数の光景が脳裏をよぎり、葉辰の目は赤く潤み、拳は強く握られた！

彼は師匠の当時の境遇さえ思い出していた！

一戦に勝ち、本来なら崑崙虚で名を上げるはずだったのに、あの忌まわしい道宗の宗主がルールを破って手を出した！

あの畜生は師匠に重傷を負わせた！

さらには師匠の丹田を破壊した！

永遠に修復できないように！

そのような行為は、あまりにも残酷だった！

師匠、この5年間あなたは全力で私を守ってくれた！

5年後の今、弟子の葉辰があなたを守る番だ！

目の前の洪濤であろうと、上古の宗門である道宗であろうと！俺が直接滅ぼしてやる！

これらの畜生どもを神の座から引きずり下ろす！

遠くにいる段懐安は当然、葉辰の身から溢れ出る強い感情を感じ取っていた。

彼は少し困惑していた。

葉辰の感情に困惑しているのではなく、この仮面の青年が何か見覚えのある感じがすることに困惑していた！

その感覚はとても強かった！

一瞬、彼はこの青年が崑崙虚を離れてほぼ一年になる弟子、葉辰ではないかと思ったほどだ！

しかし、すぐに首を振り、自嘲気味に言った：「葉辰のやつがどうしてここにいるはずがあるか、ここ数日の丹薬作りで心が乱れているようだな。」