第757章 賊を捕らえるには先ず王を捕らえよ！ （一更）

段懐安の声はとても小さく、傍らにいた洪濤はかすかに華夏東銭湖という言葉を聞いただけで、気にも留めなかった。

その軽蔑の眼差しはさらに段懐安に向けられた。「死にかけている者が、何をくだらないことを言っているのか！」

その後、視線は葉辰に移り、笑いながら言った。「小僧、もしお前があの玉佩を受け取って丹虚塔に加わっていたら、私も本当にお前に手を出せなかったかもしれない。だが今はお前が死を恐れず拒否したのだから、もはやお前の意思など関係ない！」

葉辰は闘技場を取り囲む強者たちを一瞥した。

最も弱い者でも入聖境、大部分は聖王境の強者で、さらには数名の返虚境の高手もいた。

殺戮の地における洪濤の勢力がいかに恐ろしいかがわかる。

純粋に自分の武力だけで突破するのは難しいだろう。

しかし、どうあれ、彼は師匠を連れて去らねばならない。誰も彼を阻止することはできない。

次の瞬間、彼はもはや躊躇わず、破陽剣を取り出した。

長剣を手にしっかりと握り、冷たい殺気を放った。

同時に体を一歩後ろに下げ、段懐安の前に立ちはだかった。

「本当は君たちに手を出したくない。だが、誰であれ私の師匠に手を出すなら、容赦なく殺す！」

この言葉は真気を帯び、広場全体に響き渡った。

一瞬の静寂の後、轟然たる笑い声が響き渡った！

葉辰の脅しは、全ての人の耳には空虚に聞こえた！

容赦なく殺す？

お前一人で何ができるというのか？

見栄を張るにもほどがある！

台下の人々は洪丹尊がすでに不敗の地位にあることを知っていた。今や洪丹尊はここの王だ！

誰も彼を揺るがすことはできない！

彼らは当然ためらうことなく洪濤の側に立った。

殺戮の地とはそれほど冷酷な場所だ。

確かに仮面の青年が勝ったが、それがどうした！

道義、規則、公平？

世の中にそんなに多くの公平や規則があるものか！

実力があれば全てを揺るがすことができる！これこそが真の法則だ！

「あの小僧はバカじゃないのか。彼の丹道が天才的だとしても、今やってるのは武道だぞ！天賦がどれほど逆天的でも何の役に立つ？結局は屠られる羊に過ぎない！」

「惜しいことに彼のあの天賦は、洪丹尊が生かして去らせるはずがない。」

「殺戮の地では天賦など何の役にも立たん！時勢を読めないやつは、外の世界に出ても同じ結末を迎えるだけだ！」