「師匠!」
「宗主!」
周囲の道宗の弟子と長老たちは宗主に異変が起きたのを見て、顔色を変え、全員が立ち上がり、助けに行こうとしたが、道宗宗主は手を伸ばして制止した。
「誰も近づくな!」
宗主の声は万年の寒氷のように冷たく、非情で怒りに満ちていた!
この時、彼の瞳は真っ赤に染まっているようだった。
血走った目!
顔は極限まで狰狞としていた。
拳を握りしめ、無形の気が震動し、下にいる全ての者がその気を感じ、顔色を失い、さらに十数歩後退した!
宗主の怒りは彼らが耐えられるものではなかった!
重要なのは、彼らはこれほどの実力を持つ宗主が傷つく日が来るとは思いもよらなかったことだ!
もしかして走火入魔したのか?
これが唯一説明できる可能性だった!
皆が宗主は走火入魔したと確信したとき、道宗宗主は突然立ち上がった!
衆人環視の中、一滴の精血を絞り出した!
さらに腰から一つの玉石の陣盤を取り出した!
この陣盤は宗主の肌身離さぬ品で、非常に貴重なものだった!
精血は瞬時に玉石の陣盤の上に落ちた。
「カチッ!」
陣盤は直ちに砕け散った!まるで何かの力に耐えられなかったかのように!
「何たることだ!」
道宗宗主は空中に向かって一撃を放った!
空気が打ち抜かれたかのように、一筋の気の波が大殿の円柱に向かって射出された!
「ゴロゴロ!」
円柱が崩れ落ち、大殿全体がバランスを失い、一方に傾いた。
屋根から無数の塵が降り注いだ。
大殿は混乱の極みだった。
「一体誰だ!段懐安に施した術法を破ったのは!一体誰だ!なぜこんなことをする!」
道宗宗主は誰よりも、あの上古の邪術がどれほど恐ろしいものかを知っていた!
崑崙全土を見渡しても、それを解くことができる者は十人もいない!
しかし、その十人に段懐安が接触することは絶対にあり得ない!会う資格すらない!
しかし目の前の状況をどう説明すればいいのか!
彼は怒り狂った!
彼は咆哮した!
上古の邪術が消えただけでなく、彼の体も反動を受けていた!
ほぼ重傷だった!
さらには神魂にまで影響し、永久的なダメージを受ける可能性もあった!
十日や半月では回復できないだろう!
突然、彼は何かを感じた。あの上古の邪術はまだ完全に消散していなかった!
まだチャンスがある!