046 フェードアウトの光_1

……

「レオンの兄貴!君主の邸宅の連中が巣窟を出てきたぞ。このタイミングなら内部防御は手薄だ。直接本丸に乗り込むべきじゃないか?」

路地裏で。

シルバーフロスト兄弟会の下っ端が興奮気味に提案する。

その言葉を耳にしたレオンの顔色が一変し、手を振って制止する。

「そんなことになるわけないだろ!」

「血旗家の者たちは馬鹿に見えるか?レイガが少なくとも一部隊を基地に残している。それに君主の邸宅には他にも防衛力があるだろう。それに、私たちが君主の邸宅を攻撃するメリットなんてあるのか?」

下っ端たちは上の意見を黙って聞く。

レオンは深い眼差しで君主の邸宅の光明と闇を眺め、手を振って命令を出す。

「行くぞ!」

「どこに行くんだ?」

何人かの下っ端がさっそく質問する。

「もちろん刑務所だ!ディーンのボス、モーリス、そして私のあのドジな相棒のジョナスが監獄にいる。これが彼らを救い出す絶好のチャンスだ!」

レオンは冷静に下っ端たちを率い、夜のローリングストーンズタウンを進む。

ジョナスが「マーティン、逃げろ」で捕まったのをきっかけに。

彼はローリングストーンズタウンで何度も秘密裏に探索を行っていた。

その結果、市街地はもはや見知った景色だ。

ちょっとしたあと。

彼らはローリングストーンズタウン刑務所の高い壁に到着する。

北東方向に。

一本の高塔が見える。

上に人影が見える。

レオンが自分で見張り塔のガードを倒しに行こうとする矢先。

高い壁付近から突然、ざわめきが聞こえてきた!

何人かの怪しげな人影が壁の下から現れる。

「ディーンの兄貴?」

レオンは確認の為に名前を呼ぶ。

「レオン?ぴったり来てくれたな!くそっ、やっと信用できる仲間に会えたよ。」

闇の中から。

ディアンが無造作な表情で出てきて、後ろには恥ずかしげな顔をしたジョナス、そして背の高いモーリスがディアンを支えている。

レオンはその時初めて気付く。ディアンが歩く時、足を引きずっていることに。

彼が尋ねる前に。

ディアンが罵りながら話し始める。