この光景を目にした沈天の顔色が一変した!
これは...一体どういうことだ?なぜ楚州戦区の人間がここに?
「中にいる者に告ぐ!お前たちはすでに包囲されている!武器を捨てろ!」外から大きな叫び声が響いてきた!
包囲された?武器を捨てろ?
これはどういう意味だ?
沈天は呆然とした。まるで誘拐事件のような展開になっているじゃないか?
そのとき、顔永修は沈雲を見つめ、冷ややかに言った。「沈雲、お前は証拠が欲しいと言っていたな。今から見せてやろう」
「お前は京都の商人を誘拐し、脅迫した。許されざる罪だ」顔永修は冷たく言い放った。
沈家の父子は瞬時に理解した!
顔若雪誘拐の証拠が見つからないなら、新たな誘拐罪を作り上げればいい!
この濡れ衣は、誰にも晴らすことはできない!
「お...お前は侮辱している!」沈天は焦って叫んだ。
「侮辱だと?奴らは私の言葉を信じるか、それともお前の言葉を信じるか?」顔永修は冷淡に言った。
沈天はすぐに焦りだしたが、どう対応すればいいのか全く思いつかなかった!
沈雲はむしろ安堵の息をつき、殺されるよりは刑務所の方がましだと思った。
「顔様のご慈悲に感謝いたします...」沈雲は地面に跪き、必死に頭を下げた。
「沈雲」顔永修は冷たく呼びかけた。
沈雲は急いで顔を上げ、顔永修を見つめた。
「今からお前にチャンスをやろう」顔永修は淡々と言った。
「お前が誘拐を認めれば、息子の命は助けてやる」顔永修は沈天を指さしながら言った。
この言葉を聞いた沈雲は慌てて首を振った。「顔様、私にはあなたのお言葉の意味が分かりません...」
そう言いながら、沈雲は急いで沈天に目配せをした。
しかし、沈天は沈雲の合図を無視し、むしろ顔永修の前に駆け寄って焦りながら言った。「そうです、これは全て父がやったことです!私には一切関係ありません!」
沈天の言葉を聞いた沈雲はその場で凍りついた。
「お前...何を馬鹿なことを!」沈雲は怒鳴った。
沈天は慌てふためいて言った。「父さん、早く認めてよ。僕はまだ若いんだ、刑務所なんて行きたくないよ...」
「顔様は父さんが認めれば僕を許すって言ったんだ。早く...早く認めてよ!父さんはもう年なんだから、死んでも本望でしょ。僕はまだ若いんだよ...」