第100章 陰険な柳世辉_1

シンギョクがこれほどまでに頑固だと見ると、2人はこれ以上何も言わなくなったが、その目には少しの哀れみが見えた。

シンギョクにとって、このヘウが極めて重要であり、それを手に入れれば、シンギョクは基礎期に突入する確信が十分にあった。

一度基礎期に入れば、シンギョクには柳家なんか怖くない。

「ご拝命、シン先生、10億円でヘウを落札したことを祝います!」と舞台上の司会者が興奮仕立てに叫んだ。

これがオークションのフィナーレだから、取引終了後、オークションは終わりだと言える。

人々は散り散りとなり始め、シンギョクと顔若雪も立ち上がって舞台裏へ向かった。

柳世辉のそばを通り過ぎると、柳世辉が冷たく言った。「小僧、大きなことを言うな。南の街で私たち柳家に逆らう者はいない」

「そうですか、私が初めてですか、光栄ですね」とシンギョクは平然と言った。

柳世辉は冷たく笑い、「死ぬことも知らない奴だ。後で後悔しないといいと思う」と言った。

シンギョクは彼に反応せず、兵が来れば防ぎ、水が来れば土で食い止める。

やがて、シンギョクと顔若雪は舞台裏に着いた。

「ちょっと待っててください」と顔若雪がシンギョクに言った。

それから彼女は一方に逃げ、顔永修に電話をかけた。

電話がつながると、顔永修は笑って言った。「若雪、どうしたの?なんで突然電話してきたの?」

「お父さん、急いで私のカードに10億振り込んで」と顔若雪が言った。

顔永修は一瞬驚き、苦笑しながら言った、「なんで急にそんなに大金が必要なの?何かあったの?」

「うん、大事な話なの。急いで振り込んでよ」と言って、ゲンジャクセツはあわただしく電話を切った。

シンギョクは目を見開いて呆然とした。

ゲンジャクセツの口から出る10億という数字は、10ドルとでも言うような軽い感じだった....

しばらくすると、顔永修がゲンジャクセツの口座に早速お金を振り込んだ。

「行きましょう」とゲンジャクセツが目をパチクリさせて言った。

シンギョクは何を言っていいのかわからなかったが、ゲンジャクセツの恩義はおそらく返済できないだろう。

手続きを終えた後、二人はオークションの品物を持って出て行った。