第240章 神薬の求心力

章華と陳蒙は足を止めた。

二人の顔には怒りが満ちていた。

特に章華は、強烈な殺気が周囲に漂い、恐ろしい気配が周りの砂や石を舞い上がらせていた！

一方、秦玉は、その場に立ったまま微動だにせず、まるで何の影響も受けていないかのようだった。

「じゃあ、どうしたいんだ？」章華は目を細めて言った。

秦玉は冷笑して言った：「簡単だ。まず俺の肋骨を折らせてもらって、それから俺の家の賠償をしろ。そうすれば、この件は水に流す」

「はっはっはっは！」章華は即座に大声で笑い出した。

「本当に死に物狂いだな！」その後、章華は怒鳴った！

その怒声には恐ろしい内勁が込められており、威圧的な気が秦玉に向かって直撃した！

声を媒体として内勁を放つとは、なかなかの実力だ！

しかし秦玉は微動だにせず、その内勁が自分の体に当たるのを受け入れた。

「カン！」

鋭い音が響いた後、秦玉の肉体は少しの影響も受けていなかった。

その内勁は瞬時に崩れ、無影無踪に消え去った。

「少しは腕があるようだな」章華は目を細めた。

傍らの江古は我慢できず、焦って前に出て、拱手して言った：「秦さんに代わって両位にお詫び申し上げます。どうかこれ以上の争いは…」

「江古、お前の面子は立ててやったんだ。こいつが自分から死にに来たんだ！」章華は冷たく言った。

状況が膠着している時、突然陳蒙が前に出てきて、穏やかに笑って言った：「秦さん、本日は私どもが無理を申し上げました。どうかご容赦を」

「お互い江古の面子を立てているのですから、たとえ協力関係が結べなくても、ここまで険悪になる必要はありませんね」陳蒙はにこやかに言った。

この言葉に、皆が目を丸くした。

章華も眉をひそめて言った：「陳家主、それはどういう意味だ？」

陳蒙は叱りつけるように言った：「章さん、そもそも我々に非があったのです！もういい、騒ぎはやめましょう。早く行きましょう！」

章華は状況が飲み込めないながらも、黙って頷いた。

「小僧、気をつけることだな」立ち去る前に、章華は冷たく一言残した。

「お前もな」秦玉は淡々と言った。

秦玉の家の門を出た後、章華は不満そうに言った：「なぜ止めたんだ？あの小僧があんなに傲慢だったんだ。一発で叩き潰してやるべきだった！」