277章 神識を飲み込む_1

今回は以前と違い、老祖はシンギョクを地に叩きつけなかった。それどころか、彼の声はかなり弱っていた。

暗闇の中、その虚弱な姿がシンギョクに向かってゆっくりと漂ってきた。

彼は首を上げてシンギョクを見つめ、尋ねた。「地殺谷はどうだった?」

シンギョクは地殺谷老祖を見つめ、声を沈めて言った。「もう終わった。安心してくれ。」

老祖は聞くとすぐに言った。「では、封印は?方法は見つかったか?」

「うむ、見つかったよ。」とシンギョクは頷いた。

「老祖、安心してください。そろそろ、ここから出られるようになりますよ。」

老祖はすぐさま顔を上げてから大声で叫んだ。「とうとう、とうとうだ!私はとうとうこの地獄の場所を出られる、ハハハ!」

「老祖、少々お待ちください。すぐに封印を解除します。」とシンギョクは言った。

老祖は急いで頷いた。「よし、よし、よくやった!ここから出たら、必ずお礼をするぞ!」

「老祖様、ありがとうございます。」シンギョクは心の底から怒りを抑え込んで言った。

老祖は術法を起動し、シンギョクの神識は再び体内に戻った。

彼は時間を無駄にせず、すぐに目を閉じて父から教わった術法を起動し、印を消す準備をした。

その術法とは神の裁きである!

まさにその印を消す方法を探していたシンギョクは、最大のピンチにおいて灰冥に神の裁きを使えたのだ。

シンギョクは黙々と術法を操り、一筋一筋の光が、彼の神識の中で爆発した。

その光は小川のように、印の方へ流れていった。

その時、シンギョクは突如、その印が自分の神識を吸収しようとしているのを感じた!

「うん?」シンギョクの顔色が変わり、瞬時に驚きを感じた。

これは……神識を吸収する印だ!

つまり、地殺谷の老祖はシンギョクを騙していた!

この神識は彼が言ったようなものではなく、シンギョクが反乱を起こすことを防ぐようなものではなく、シンギョクの神識を吸収するためのものだった!

もし見つけるのが遅かったら、彼が復活する可能性もあった!

「地殺谷の連中は本当にずる賢い。」シンギョクは目を細めて言った。

シンギョクは時間を無駄にせず、即座に術法をかけてその印を消す。