第300章 再び方悦に会う_1

桃市の薬草は、ほぼ全国でも名高いものだ。

したがって、薬神閣は毎年桃市で薬草大会を開催する。

薬草大会と言っても、実際には置換会なんだ。

この薬草大会に参加する人は、等価値の貴重なものを相手と交換することができる。

董天海は薬王として、毎年必ず参加する。

その後、董天海は倉庫で準備に取り掛かり、夕方の薬草大会に向けた。

その時、シンギョクと姚青は車に乗って桃市へ向かっていた。

「シン先生、あの董天海が素直に薬草を提供するって本当に思いますか?」姚青は運転しながらつぶやいた。

シンギョクは目を閉じて、薄らと言った。「提供するにせよしないにせよ、提供しなければならない。」

とにかく、今のシンギョクが地を圧縮する術を使えるから、何があっても逃げられる。

シンギョクたちが桃市に入った時、すでに夜の7時だった。

「まずは何か食べていこう。」シンギョクはぺったんこになったお腹をさすりながら言った。

「そのつもりだよ!」姚青はすぐに頷いた。

二人はレストランを見つけて立ち寄り、メニューを姚青に渡し、注文を頼んだ。

約半時間後、食事がすべて揃った。

シンギョクはテーブル上の料理をひと見て、思わず感嘆した。

「こうなると、薬草を使って料理を作るとは思えないな。さすがは桃市だ。」とシンギョクは言った。

姚青はぼそりとつぶやいた、「薬草を使った料理でも美味しいの?」

「若造、それを言うとは知らないね。」その時、店主が言葉を聞いて近寄ってきた。

彼は一方に座り、笑顔で説明した、「我々桃市の薬草開発は、まさに極致だ!」

「この薬草は、身体に良いだけでなく、風味も保てる。他の場所では食べられないぞ!」

姚青は少し疑わしげに言った、「本当にそうなの?自分で自分のほめたてるだけじゃないの?」

「まあまあ、信じないなら試してみれば?」と店主は困ったように言った。

姚青は少し疑った顔で箸を取り、一口食べてみた。

「うん?なんだか、これ、美味しいぞ!」姚青の目が輝き、そのまま豪快に食べ始めた。

シンギョクはそれを見て、思わず笑いがこぼれた。

店主は得意げに言った、「どうだ?私が嘘をついていたわけではないだろう?」