吞天术を手に入れた途端、迟封の体は一瞬にしてひどくやつれていく。
八品大聖師からの内気が、シンギョクの手のひらを経由して体内に流れ込み、体内の経脈を巡る。
迟封の体内の内気を完全に吸収し尽くすまで、シンギョクはほぼ半分の時間を費やした。
「これぞ至福!」シンギョクは思わず満足した声を漏らした。
地面に倒れている迟封を見つめ、古太初の心は複雑な感情で一杯だった。
口を開いてみるも、何を言ったらいいのか迷ってしまった。
「古先生、彼は罪に報いています。私はすでに手を加えるのを遠慮しました」と、シンギョクは古太初を見た後、声を落として語った。
実際、彼の神識を吞み取らなかったことによって、シンギョクはすでに寛大であったといえる。
古太初は手を振り、「まあ、それでいいさ」。
シンギョクはこれ以上何も言わず、古太初と姚青を抱え、立ち去る準備をした。
迟封の内気を吞み取ったことで、悟道茶の損失を少しでも取り戻すことができた。
しかし、もちろん、八品大聖師と比べれば、悟道茶の価値は取るに足らない。
帰宅後、シンギョクは自ら古太初と姚青の治療を行った。
幸い、彼らの怪我は重傷ではなく、命にかかわるほどではない。数日休めば十分回復する。
その後の数日間、シンギョクは静養を選んだ。
滨省から来る霊気を吸収し、体内に満たしていく。
そして、迟封の内気を加えて、シンギョクは辟谷期二層の閾値に触れることができた。
三日が過ぎ、古太初の傷もようやく治った。
彼はシンギョクの部屋のドアをノックし、中に入った。
古太初はシンギョクの隣に座り、感嘆として言った。「本当に予想外だ。君が宗師になって以降、軽々と八品大聖師を押し潰せるとは、これまでに聞いたことがない」
シンギョクは深い声で言った。「それが何を示しているわけでもない。それに、私が歩む道は君たちとは少し違う」。
シンギョクの言う通り、迟封はちょうど八品大聖師になったばかりで、全能力を発揮することはできなかった。
そして、そのときの迟封はすでに最高の状態ではなく、もしそうであれば、シンギョクがこんなに楽に勝つことはできなかった。
「修道の道、私も聞いたことがあります」と古太初は深く言った。