「薬神閣の薬師?」この身分が明かされると、その場の雰囲気は一変した!
ほぼ全員が驚愕の目でこの若者を見つめた!
「なんと薬神閣の薬師様でしたか、お目にかかれて光栄です!」
「私は孫家の孫宝と申します。お会いできて光栄です!」
皆の態度から、薬神閣が彼らの心の中でどれほどの地位を占めているかが分かった。
薬師は露店の主人を見て言った。「店主、決心はついたかな?」
店主は立ち上がり、恭しく言った。「薬師様でいらっしゃったとは、お迎えできず申し訳ございません」
「気にするな」薬師は得意げに手を振った。
彼は小還丹を十個取り出し、言った。「この紫金紗衣は私のものになったということでいいかな?」
店主は笑って言った。「もちろんでございます。薬師様のお言葉の方が信用できますので」
「待て!」
その時、秦玉が突然二人を呼び止めた。
店主は困惑した様子で秦玉を見て言った。「お客様、まだ何かございますか?たとえ本当に辟谷丹をお持ちでも、私は薬神閣との取引の方を望みます」
「聞いたか?この方、紫金紗衣は私のものだ」薬師は軽く笑って言った。
秦玉は重々しく言った。「もし私が破元丹一つと交換を申し出たら?」
「破元丹?」店主は少し困惑した様子だったが、傍らの薬師は驚愕の表情を見せた!
明らかに、この薬師は破元丹のことを知っていた。
秦玉は頷いて言った。「破元丹は大宗師への突破に使えるのだ」
この言葉を聞いて、皆は驚きの色を露わにした!
「お客様、本当のことを仰っているのですか?」
「本当に破元丹をお持ちなのですか?もしそうなら、高値で買い取らせていただきます!」
秦玉は他の声には耳を貸さず、店主の方を見つめた。
店主は迷っているようだった。薬神閣の薬師の身分は高貴だが、破元丹の誘惑は余りにも大きかった。
「二つだ」秦玉は指を立てた。
店主はすぐに動揺を見せ、急いで言った。「本当ですか?」
「本当だ」秦玉は頷いた。
「ふん、彼の戯言を信じるな」その時、薬師が嘲笑うように言った。
「破元丹は聖丹とまではいかないが、極品には違いない。私でさえ持っていないものを、彼が持っているはずがない」薬師は冷ややかに言った。
店主はこれを聞いて、眉をひそめた。