一つの破元丹が、静かに秦玉の手のひらに横たわっていた。
秦玉の片手は既に黒く焼けており、見るに堪えない状態だった。
「これが破元丹なのか?」人々は秦玉の手のひらにある丹薬を見て、いくらか疑わしげだった。
秦玉は頷き、その丹薬を露店の主人に渡した。
露店の主人は破元丹を手に取り、顔に好奇心を浮かべていた。
彼は破元丹を見たことがなかったので、この丹薬が本物か偽物かまったく分からなかった。
「ところで薬師様、この破元丹は本物なのでしょうか?」露店の主人は薬神閣の薬師に向かって尋ねた。
その薬師は非常に不愉快そうな表情を浮かべ、思わず拳を握りしめた。
彼にはよく分かっていた、この丹薬は間違いなく破元丹だということを!
しかし、もしそれを認めてしまえば、あの紫金紗衣は手に入らなくなってしまう!