第317章 顔家へ向かう

この一撃は一見シンプルで、特別なところは何も見えず、純粋に肉身の力だけだった!

盧晨は急に喜色を浮かべ、怒鳴った。「お前は内勁が何かわかっていない!」

秦玉は冷笑して言った。「肉身の力が何かわかっていないのはお前だ」

言葉が終わるや否や、秦玉の拳が盧晨の体に激しく打ち込まれた!

恐ろしい出来事が起きた。この一撃で、盧晨の体は糸の切れた凧のように、訓練場から飛び出し、観客席に向かって飛んでいった!

「ドーン!」

最後に、盧晨の体は観客席に落ち、その場所を粉々に砕いてしまった!

そしてその場所は、偶然にも葉青の隣だった。

現場は騒然となった!誰もこの光景を信じられなかった!

内勁宗師が、純粋な肉身の力だけで、大宗師を吹き飛ばしたのだ?

こんなことがあり得るのか?

「ハハハハ、孫さん、今年の最下位は間違いなくあなたですね、ハハハ!」龍長官は席で笑いが止まらない様子だった!

孫さんは顔を青くし、怒って立ち上がり、歯を食いしばって言った。「くず、本当にくずだ!」

盧晨は場内で1分も持たずに吹き飛ばされてしまった。

これでは、楚州戦区の評価点は途方もなく高くなるだろう。

「この秦玉は一体何者なんだ?」

「この実力は、あまりにも驚くべきものだ」

「ふむ、楚州戦区が今年は這い上がってくるとは誰も予想していなかったな」

全員が秦玉を見つめる中、ずっと目を閉じていた葉青も、ようやくゆっくりと目を開いた。

彼は秦玉の方向を見つめ、その深い眼差しは人を見通すようだった。

秦玉も逃げることなく、真正面から向き合った。

二人の視線が交差し、空気が凍りつくかのようだった。

最後に、秦玉は葉青に軽く会釈をし、そして席を立った。

「試合終了、お疲れ様」秦玉は欠伸をした。

竜虎隊のメンバーたちが一斉に集まってきた。

「秦先生、すごすぎます!あの一撃はどうやったんですか!」

「すごい力ですね!秦先生、あなたは私たちのアイドルです!」

皆の喝采に、秦玉の顔にも笑みが浮かんだ。

方悦から贈られた内丹を飲み込んでから、秦玉の体には怪力が宿っていた。

この怪力は、秦玉の肉身と完璧に調和し、想像を超える力を発揮したのだ!

「秦玉、よくやった!早くこっちに来て座れ!」席上で、龍長官は秦玉に親指を立てた。

秦玉はゆっくりと歩み寄り、龍長官の横に座った。