薛虎が指さした方向に目をやると、秦玉は背筋の伸びた、鋭い眼光を持つ中年の男を見つけた。
その顔には何の表情もなかったが、威厳が自然と漂い、人々は直視することができなかった。
「あの人が葉青なのか?」秦玉は小声で呟いた。
秦玉は彼の実力を感じ取ろうとしたが、葉青は古井のように底が見えず、まったく見通せなかった。
葉青の到来により、その場の雰囲気は一気に最高潮に達した。
多くの人々が前に進み出て、葉青に挨拶を交わした。
葉青はそれぞれに頷きを返すと、静かにその場に座った。
「葉青はすべての戦士の究極の目標なんだ」薛虎は小声で呟き、葉青を見る目には敬意が宿っていた。
確かに、葉青の醸し出す気質は並々ならぬもので、思わず頭を下げて崇拝したくなるような存在感があった。
葉青の到来とともに、今回の試合も正式に開始となった。