333章 矛盾のエスカレーション_1

「罠?何の罠を仕掛けれれるの?」シンギョクはあまり気にかけていないように見えた。

桃子はからっきしどんくさい人だったので、それ以上何も話さなかった。

二人はここでずいぶんと長い間、待っていた。

昼頃になると、外から人が入ってきた。

その人は若者だった、華やかな服を着て、圧倒的な雰囲気を纏っていた。

それに、彼の後には二人の護衛風の男たちがついていた。

シンギョクがしっかりと見ると、どうやらその護衛は三品大宗師だった。

「護衛までが三品大宗師とは、相当な一族に違いない。」シンギョクは心の中で思った。

その若者は大股でシンギョクの前まで歩いてきて、堂々と座り込んだ。

彼はシンギョクを上から下まで見て、「あなたが私の治療をするのか?」と言った。

シンギョクはうなずいて言った。「そうだ、何か具合が悪いところでも?」

若者はゆったりと腰を伸ばし、「お前は薬師だろう。どうして何が甲斐性がないか分からないのか?」と言った。

シンギョクは眉間にしわがより、「この男の態度は少し気に食わない」と思った。

「まあいい、今回は薬を買いに来ただけだ。長老とはもう話をつけておいた」と若者は手をぶんぶん振った。

彼は一枚の処方箋を取り出し、テーブルに置いた。

その上には四、五種類の丹薬が書かれていた。

これらの丹薬はどれも一般的なもので、処方の準備は難しくなかった。

「シンギョク、私に任せて」と、この時、桃子が突然言った。

シンギョクはうなずいてこう言った。「それを期待していた」

しかし、その時、若者が突然立ち上がり、シンギョクを冷たい目で見つめ、「君がそのシンギョクか?」と言った。

シンギョクは疑り深く言った、「君とは知り合いだっけ?

その青年は大笑いしながら言った。「ハハハ、確かにお前は僕を知らないが、僕はお前を知っているわ!」

「私は韓家の韓士勳だ」と、青年は冷ややかに言った。

「韓家?京都の韓家?」シンギョクの顔色が微妙に変わった。

青年は淡々と言った。「そうだ。思いもよらないところであった者の道は狭いな、ここでお前に出会えるとはな」