第353章 北州島を踏み砕く！

曾おじさんは眉をしかめ、少し警戒しているようだった。

「早くしろよ、何をぼんやりしてるんだ。まさかこんなことまでおじさんに報告しないといけないのか？」傍らの李文強が苛立ちながら言った。

それを聞いて、曾おじさんはもう何も言わなかった。

ここはあくまでも北州島だ。北州島では、馮沖こそが真の支配者なのだ！

だから、曾おじさんはもう考えるのをやめた。たとえ何か問題が起きても、李文強が支えてくれるはずだ。

そこで、曾おじさんは手を振り、叱りつけるように言った。「全員連れて行け！」

数人が即座に前に進み出た。

その時、秦玉は素早く前に出て、顔お爺さんの前に立ちはだかった。

彼の体からは強大な気配が放たれ、冷たい目で皆を見つめながら言った。「誰か一歩でも近づいてみろ」

「宗師か？」秦玉の体から放たれる気配を感じ取り、曾おじさんは眉を上げた。

たかが宗師一人など、物の数にも入らない！

これで曾おじさんは少し安心した。なぜなら、もし顔お爺さんが手を出してはいけない大物だったら、その側近の護衛が宗師一人だけということはありえないからだ。

「シュッ！」

他の数人も、同時に体から気配を放った！

大宗師！

なんと五人もの大宗師！

「お前一人の宗師如きが、よくも傲慢な」と曾おじさんは冷笑した。

秦玉は目を細めて言った。「ならば試してみるがいい」

話しながら、秦玉の体からは薄く金色の光が漂い始めた。

まさに手を出そうとした時、顔お爺さんは手を振って、秦玉に軽はずみな行動を取らないよう制した。

彼は両手を後ろに組み、曾おじさんの前に歩み寄り、淡々と言った。「若いの、本当に馮沖を呼ばなくていいのかね？」

「てめえなんかに、俺の叔父に会わせてたまるか？」李文強が傍らで怒鳴った。

「はっはっは、よろしい、よろしい」顔お爺さんは思わず髭を撫でながら大笑いした。

「お前たちについて行こう。どうやって私たちを扱うつもりか、見物だ」顔お爺さんは淡々と言った。

曾おじさんは冷ややかに鼻を鳴らし、「では、どうぞ！」と言った。

秦玉は非常に不満そうだったが、それでも顔お爺さんの意向に従い、一緒に車に乗り込んだ。

車は走り去り、すぐに北州島岸にある小さな倉庫に到着した。

「まずはこいつらを閉じ込めろ！意気を削いでやれ！」李文強は冷ややかに鼻を鳴らした。