言い終わると、閣主はその方向をじっと見つめ、ゆっくりと立ち上がった。
この時、秦玉は顔お爺さんを連れて、薬神閣への道を進んでいた。
道中、秦玉は神識を周囲に広げ、何か異変が起きないか警戒していた。
車はゆっくりと進み、運転手はいつものように饒舌に話し続けていた。
すぐに、車は森の中に入った。
森に入った瞬間、秦玉は何か異常な気配を感じ取った。
その気配は隠されていたものの、秦玉の感知能力から逃れることはできなかった。
「まずい」秦玉は眉をしかめた。
彼は反射的に顔お爺さんを見て、言った。「顔お爺さん、先に薬神閣へ行ってください。私はすぐに後から行きます」
顔お爺さんは重々しく言った。「顔家の者が来たのか?」
秦玉は苦笑いして言った。「確信は持てませんが...異常な気配を感じます」