456章 水韵塔内の秘密_1

シンギョクは遠くにそびえ立つ水韵塔を見つめ、その瞳には深い渇望が満ちていた。

彼は神識を解き放ち、用心深く水韵塔に向かって歩き始めた。

水韵塔は遠くの深い山の上に建てられており、その姿はまるで天然のもので、それでいて何処となく人工の痕跡も見受けられた。

全体の高さはそれほどではないが、東川の大半を見下ろすことができる。

これほど高い位置に立つ水韵塔は、もうぶゆうの私有財産だ。

約半時間が経過し、シンギョクはようやく水韵塔の麓にたどり着いた。

彼は塔の前に立つと、自身のちっぽけさを痛感した。

彼は塔を見上げ、眉をひそめながら言った、「霊気を全然感じられないな」

不思議だ、もし霊気が感じられないのなら、もうぶゆうと贺腾はこの塔をどうやって修行に利用していたのだろうか?

「もしかして...この塔とは何の関係もないのか?」シンギョクは眉間に皺を寄せる。

あるいは、この水韵塔は彼らが修行するための住居に過ぎないのか?

「もう気にしない、せっかくここまで来たんだし、上に登ってみるか。」シンギョクは心の中でつぶやいた。

それから、彼は水韵塔の中へ向かった。

目の前には古風な大きな門が立ち、シンギョクの道を遮った。

その高さは少なくとも五メートルあり、非常に重厚な見た目だった。

シンギョクは手を伸ばし、この大門を押すつもりだった。

しかし、彼の手が大門に触れた瞬間、途方もない力が突如として湧き起こった!

何も警戒していなかったシンギョクは、その力によって瞬時に吹き飛ばされ、何十歩も後ろに下がった。

シンギョクは地面から立ち上がり、体から土を払いながら、眉をひそめて言った。「禁忌がかけられているのか」

もしかすると...この塔は、もうぶゆうと贺腾だけが入ることが許されているのか?

シンギョクは再び門の前に立ち、霊力を巡らせながら、再度この大門を押そうとした。

その衝撃力が再び飛び出し、シンギョクの進路を阻んだ。

「やはりそうだったか」シンギョクはつぶやいた。

この大きな扉を開けられないのであれば、力ずくで突破するしかない。

しかし、現時点でシンギョクの霊力はほとんどなく、実力の十分の一も発揮できない状態だ。