第481章 毒を盛る

黒い気が、体中の毛穴から次々と噴き出していた。

秦玉は前方を見つめ、五臓六腑の変化を感じ取っていた。

この世のあらゆる病や痛みが、この瞬間に消え去っていくようで、体はまるで別次元に踏み込んだかのようだった。

その時、秦玉の目から二筋の光が放たれ、実力が静かに変化していった。

秦玉は立ち上がり、拳を握りしめながら、低い声で言った。「実力は明らかに上がったが...半歩武侯までは、まだ一線を隔てている。」

半歩武侯は明確な境界ではないものの、一度踏み込めば大宗師とは雲泥の差が生まれる。

しかし今の秦玉は、まだその変化を感じ取れていなかった。

「まだ修行を続けないとな」秦玉は呟いた。

しばらく考えた後、彼は一度外に出て、時間を確認することにした。

秦玉が入口に向かうと、扉が全く開かないことに気付いた。