飛行機に乗るなり、夏航は慌てて一通のメッセージを送信した。
このメッセージは、京都武道協会の上層部に宛てたものだった。
...
この時、京都武道協会の多くのメンバーは、緊張した面持ちで秦玉を見つめていた。
先ほどの秦玉の戦闘力は、彼らの抵抗する自信を完全に奪っていた。
今この場で戦えば、勝算は全くないだろう。
秦玉は皆を見渡し、しばらく何も言わなかった。
「俺たちを殺すつもりか」この時、誰かが先に口を開いた。
秦玉は顎に手を当てて少し考え、言った。「殺さないこともできる。だが、お前たちが持っている薬材を全て渡すことだ」
皆は互いに顔を見合わせた。
それは悪くない選択かもしれない。
「自分から差し出せ。俺が探すことになったら、そう快適じゃないぞ」秦玉は足で地面を踏みながら言った。