第551章 秦玉の策略

すぐに、甄月は上半身の服を脱ぎ始めた。

秦玉はそれを見て、慌てて言った。「何をしているんだ?」

甄月は髪をかき上げながら言った。「ご心配なく、これは私が約束したことです。あなたに責任を取っていただく必要はありません。」

そう言うと、甄月は秦玉の方へ歩み寄った。

秦玉は状況を見て、急いで言った。「早く服を着なさい。私はそんなことは必要ない。」

「それに、顔若雪を裏切るようなことは絶対にしない。」

甄月は小声で言った。「秦さん、このことは誰にも知られることはありません。」

秦玉は冷たい表情で言った。「もしこれ以上続けるなら、私は帰る。」

その言葉を残し、秦玉は立ち上がって去ろうとした。

「秦さん、行かないで。」甄月は急いで秦玉を引き止めた。

彼女が服を着直すと、秦玉はようやく留まった。

「では後ほどお金を振り込みます。」と甄月は言った。

秦玉は少し考えてから言った。「甄門主、本当に私を助けたいのなら、あの湖の底に一体どんな秘密があるのか教えてください。」

甄月は秦玉がこのことを尋ねることを予想していたようで、特に驚いた様子は見せなかった。

「それは長い話になります。」と甄月は重々しく言った。

甄月の説明を聞いて、秦玉はようやくこの湖の由来を知った。

この湖は氷心湖と呼ばれ、数千年前からここにあった。

そして甄月の先祖は、代々この氷心湖を守護する役目を担っていた。

「父の話によると、ここは万年前、かつて栄えた宗門があったそうです。」と甄月は言った。

「この氷心湖は、その宗門が作り出したもので、父は、この氷心湖を守り続ければ、必ず往時の栄光を取り戻せると言っていました。」

秦玉はこれを聞いて、黙り込んだ。

どうやらあの隙間の下には、何かがあるようだ。

万年前の宗門が遺した宝物か、あるいは封印された霊気だろう。

しかも、その霊気はおそらく数万年も封印されているのだ。

「あの隙間を開けることができれば、どれほどの霊気が放出されるのだろうか。」と秦玉は心の中で考えた。

しかし残念ながら、現在の秦玉の能力では、この隙間を開けることは不可能だった。

「あなたは水底に行ったことがありますか?」と秦玉は尋ねた。

甄月は頷いて言った。「はい、氷心湖のすべての霊気は、あの一つの隙間から放出されているのを知っています。」