秦玉の殺気が隠しようもなく、部屋全体の温度を数度も下げていた!
谷滄海は助けを求めるように沈斌を見つめ、その目には懇願の色が満ちていた。
沈斌は咳払いをして言った。「秦玉、何事も話し合いで解決できる。谷滄海はきっと満足のいく条件を出せるはずだ。」
「そうそう!」谷滄海は急いで頷いた。
「秦玉、もし良ければ、聖儒門をあなたに譲ってもいい!」
「聖儒門には霊泉があるんだ。きっとあなたの役に立つはずだ!」
秦玉は冷笑して言った。「数日前なら霊泉を出すと言ってくれれば、必ず承諾していただろう。だが今は遅すぎる。」
「なぜなら...お前を殺せば、霊泉は自然と私のものになるからな!」
谷滄海は歯を食いしばり、立ち上がって言った。「秦玉、それではどうしても決着をつけるというのか!」
「どう思う?」秦玉は冷笑した。
「私が武侯に踏み入れていなかったら、お前は私にチャンスをくれただろうか?」
谷滄海は口を開きかけたが、何も言えなかった。
今や、彼の全ての希望は沈斌にかかっていた。
そこで、谷滄海はすぐさま冷たい声で言った。「沈さんの顔も立てないというのか!」
秦玉は沈斌を一瞥して言った。「沈さん、本当に彼を守る気なのですか?」
沈斌は少し黙った後、言った。「もしそうだと言ったら?」
秦玉は冷笑して言った。「申し訳ありませんが、顔家の面子すら立てない私です。あなたの面子も立てられません!」
沈斌はそれを聞いて、思わず諦めたように言った。「噂は本当のようだな。本当に情け容赦ないやつだ。」
「私とあなたは元々面識もありません。あなたの身分を尊重して、今日ここに来ただけです。」秦玉は毅然として答えた。
ここで秦玉は一旦言葉を切り、沈斌を見つめて言った。「私があなたに示せる最大の敬意は、あなたの目の前で彼を殺さないということです。」
沈斌は顎を撫でながら考え、それから谷滄海を見て言った。「谷滄海、聞いただろう。この件は私にもどうしようもない。彼は私の面子も立ててくれないんだ。」
谷滄海は急に焦り出し、慌てて言った。「沈さん、どうか私を助けてください!さもなければ、私は...私は必ず彼の手にかかって死んでしまいます!」
「私にも手の施しようがないよ。」沈斌は手を振った。